すずききよしの音楽日記 Vol.37

大阪の北区革新懇総会に出席

1125日(金)は、夕方6時半から、大阪グリーン会館で大阪の北区革新懇総会に出席しました。

開会挨拶や、メッセージ披露に続いて、1年間の活動報告や新年度の方針案や、会計報告、会計監査報告などに続いて、関西大學教授で憲法学の専門家の吉田栄司さんの記念講演でした。

実に判り易い、たとえば「老人から子供まで」にも判る様なお話し振りで、あっという間の1時間でした。

最初に「今、なぜ改憲なのか」という話の中で、とても大切な話がありましたが、「法とは何?」実はなんと「国民の権利を保護するルール=役人の権力を拘束するルール!」だったんですね。

「憲法とは」 『国の根本的な組織(しくみ)と作用(はたらき)を定めた法であり、国の総ての法の上に置かれ、最高の効力(ききめ)を持つ法である。』

と言う話しを聴いて、思わず感動してしまいました。

 でも、問題は国民はそれを知らず、実際は『役人がそれを悪用して、自分たちの利益を擁護する為に』悪用しているのが実情です。

 ところで、「改憲論者たちはなぜ9条を変えようとしているか?」について、

現在憲法91項『日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する』 2項『前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。』のこの理想の素晴らしさを、『古い、国連憲章に基いた「新しい憲法を創るべきだ、創憲だ」と言っているが、国連憲章は19456月、ドイツが降伏した後に作られたもので、まだ原子爆弾が人類の上に投下されていない時であり、一方、日本国憲法は、原子爆弾が広島長崎に投下された後、『この惨状を見て、この様な残酷な戦争を2度と起こしてはいけない』と言うことから、出来たのだから、少なくとも『国連憲章より新しい、後に出来たものであるから』

と言う事でした。

 ポツダム宣言を受諾した日本は、最出発と言う事で、戦前の天皇権原理に基づく「大日本帝国憲法」を廃止して『軍国主義を完全に駆逐、民主主義の復活教化、人権尊重の徹底、責任政府の樹立』を目指して、幣原喜重郎首相とGHQマッカーサーにより、9条を含む憲法草案が起草されたのです。

 新しい憲法の前文『日本国民は・・われらとわれらの子孫のために、・・政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにする事を決意』する。

『われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和の内に生存する権利を有することを確認する。』とありますが、この前文こそ『世界平和の構築』を示した、崇高な憲法である事を示しています。

 改憲論は、一部の人々の利益、つまり軍需産業や兵器産業の輸出入によって利益を上げたい人たちにとって、都合の良い憲法に作り変えようとするものであることがはっきりしました。

 現在の憲法で大切にされている「基本的な人権」は、そのような人々にとっては極めて邪魔な法律です。

軍事国家を目指す為には、国民の人権を奪い取ってしまわないと、目的の達成は出来ません。

現在の憲法は、人権についても、非常に大切である事を懇切に示していますが、改憲論者達が理想としている、戦前の『大日本帝国憲法』では、国民の一切の人権は、『生存権』さえ、無視されていました。

そう言う事も、吉田栄司教授のお話は大変判り易く理解できました。