すずききよしの音楽日記 Vol 39

 

私が主催している、CAM音楽研究所(教室)にはいろんな生徒さんがいます。

小学校4年生で、歌が好きで好きで、街の少年少女合唱団にも通っていて、

私の教室にも通っているお嬢ちゃん。そのママさんも、弾き語りのお稽古

に来ています。

2ヶ月前までは、6年生もいたのですが、英語塾に行くことになり音楽は断

念しました。

 次は29歳の青年、以前は阪神タイガースの応援団員でした。「小柄で中学

の頃は苛められっ子だったから、自分でそれを改造しようと、ボクシングジ

ムに通っていた」と言うスポーツマンらしい青年。ギターに弾き語りをお稽

古しています。(印刷会社勤務)

 看護士さんもいます。前に豊中市の市民ミュージカルに出演して以来、音

楽の面白さに目覚めて、お稽古に来るようになったのですが、勤務のローテ

ーションのやりくりが大変のようです。

 枚方市で「カラオケ歌謡教室」を開いているご夫婦の先生方。(教え方の勉強)

大阪府の外郭団体で埋蔵文化財撮影のカメラマン、今年初孫が出来たけど、

大のアコースティックギターの収集家です。

 最高齢者は、個人タクシーのドライバーです。初めて作詞した「個人タク

シー夫婦道」と言う歌に作曲してあげたのが縁の始まりでした。

 出来上がった歌を「自分で歌って録音したい」と言うことで入門、文字通

り「六十の手習い」でした。

やがてレコーディングして、同業の個人タクシーの皆さんに普及する為に

カセットテープにしました。

 彼はとても親孝行で、岡山県の田舎の特養ホームに、お母さんが入所して

いますが、最近は殆ど息子の顔もわからないし無反応になっていた様です。

 それを彼は詩に書いてきたので、何度も読み直して、手を入れてあげると、

「先生、どうしてこんなに私の気持ちが解るんですか?」と言うので、私も母

親がホームにいるからね」と言うことで、作詞を完成させ作曲しました。

 タクシーで客待ちの時間にでも練習が出来るように、メロディーガイドのテ

ープを作って持たせたら、岡山のホームを見舞いに行った時に、それを聞

かせて、耳元で小声で歌ったら、それまで、「お母ーさん」と呼んでも、ただ

虚ろな目無反応だった母親が、突然、ニッコリ笑ったそうです。

 所長さんや、介護の職員達も吃驚、そこでその練習用のテープを、置いて

帰ったそうです。

その後「歌を吹き込んだテープが欲しい」何度も所長さんに言われると、彼が

言うので、編曲して田村君にカラオケを作って貰い、レコーディングしました。

 5日の日曜日の午後一杯と、6日の午後と掛けて、スタジオで録音しました。

大分緊張していましたが、どうやら良い歌になったようで、早速、11日の土曜

日に、お母さんのいる特養ホームに持って行きましたが、結果が楽しみです。