すずききよしの音楽日記 2005.5.28  Vol.51

クラシック・ピアノ界の貴公子・近藤嘉宏は「ヨン様よりもハンサムだよ」の巻。

 

528日(土)は、(社)いずみ野福祉会の「かがやく未来」企画の一つで、大阪狭山市の「SAYAKAホール」でフルートの萩原貴子さんをゲストに「近藤嘉宏ロマンティックコンサート」が催されました。

1700分会場で、第1部はヴィデオ企画&障害者の生の声大発表と言うことで、「ボッチャ(障害者の球技)」大阪大会で優勝した「梅の里ホーム」の黒川由美子さんが8月の全国大会への決意を語り、「デイセンター梅の里」の北村さんは、「家では母と二人だけの寂しい食事だったけど、「梅の里ホーム」では、「沢山の人と一緒に食事が出来て楽しい。今後は職員の皆さんと一緒に、もっと利用しやすいデイサービスを作って行きたいと思います」。

「つじやま作業所」で「竹炭2班」で商品作りに頑張っている森田さんは、今、ミシンも練習中で「上手に縫えるように頑張りたい」と張り切っています。

 今年3月に富田林養護学校を卒業した山口雄平さんは、「つじやま作業所」の入所式で、

「今日から、大人の仲間入りですね」と言われた。「お給料を一杯貰って、グループホームで暮らせるように挑戦したい。」と決心したなどの、生きた生生しい意見を発表しました。

 重度の障害を持っている人たちも、心の底から「何とか自分自身の力で生きて行きたい」と願っていることを、世の中のもっともっと多くの人々に、知って頂きたい」と願わずにいられません。

 

 第2部は、近藤嘉宏さんの美しいピアノの響き、時には語りかけるように、時には一緒に歌うように、時には聴く人の魂を揺さぶるような、近藤さんの演奏は益々洗練されていました。ミュンヘン国立音楽大学マスタークラスを出て、帰国後日本でデビューして間もなく、高嶋さんの紹介で知り合いました。

もう10年近くになりますが、全然若さも新鮮さも変わりないのに、技術は益々磨き上げられています。ピアノ界の貴公子とか、プリンスとか言う呼び名がぴったりです。

 今回のプログラムは、ショパンの「ノクターン 第20番」(遺作と言われています)

「ノクターン 第2番」「子犬のワルツ」「ワルツ 第7番」、ドビュッシー「の月の光」

「喜びの島」、リストの「愛の夢」「ハンガリー狂詩曲 第6番」と、判りやすく、良く知られていて、しかも美しい曲が選ばれていたので、皆さんも大喜びでした。

ゲストの萩原貴子さんは、黄金のフルートと、黒檀(エボニー)のフルート、葦笛の古典的なフルートを持って登場。

パガニーニの作品から「カプリース 第24番」ドップラーの作品から「ハンガリー田園幻想曲」の2曲でした。

近藤さんは、自分自身の方が先輩なのに、気軽に伴奏を引き受けるなど、人間としての暖かさを感じました。

時には、ゆっくりと判り易いクラシック音楽を鑑賞するのは、正に寛ぎとセラピーでありますね。(のんびりさせて頂いた、良いお仕事で御座いました。)