すずききよし音楽日記 Vol.56

 

2005.11.15

 

先の衆議院解散は、小泉総理が「郵政民営化是か非か」
を問うと言う名目で解散したのですが、自民党の圧勝する
と「憲法改正」が当たり前のように論議されています。
 でも、皆さん、現在の憲法第9条では、「陸海空の全て
の戦力はこれを保持しない」と、はっきり決められている
のに、世界でも有数の戦力を持った自衛隊を持っています。 
これを自民党は、9条の2項で「自衛隊を自衛軍」とし、
「海外派遣も自由に、堂々と出来るようにする」と、明言
しています。
 今の憲法は、太平洋戦争で軍国主義であった日本が、ア
ジアの諸国民を2千万人以上犠牲にし、日本国民も数百
万人を犠牲にした罪の反省から出来た憲法です。
 近代日本が誕生した明治以来、明治憲法の下、先進世界
の仲間入りを目指して、凡そ60年間に、日清、日露、両戦
争を始め太平洋戦争で連合軍に無条件降伏するまで、海外
に派兵した戦争だけで6回以上を数えます。
 しかし、現行憲法が出来て60年間、日本は外国を1度も
侵略していないし、外国人を戦争で殺害したことはありま
せん。この事だけでも「現憲法が如何に素晴らしい憲法か
判ります。この素晴らしい憲法こそ、日本が世界の国々へ
分ち合わなければならない「宝物」だと思います。
 ところで、以前、今井正監督の最高の名作映画「ひめゆ
りの塔」を見て感動して作った「ひめゆり節」を、今度、
リメイクしました。「ひめゆり部隊」は太平洋戦争で犠牲
になった「沖縄県立第1高等女学校と、沖縄女子師範学校
の生徒達で、南部戦跡に記念塔があり、今も香華の煙が消
えませんが、沖縄県立第2高等女学校の生徒達の「白梅部
隊」は同じ様に命懸けで働かされ、犠牲になったのに、島
の裏側に、ひっそりと祀られているのです。
 そこで、「ひめゆり節」を改め、「ひめゆり・白梅の乙
女たち」と改題し、歌詞も共通語に戻すことにしました。
 ここで紹介します。

ひめゆり・白梅の乙女たち(旧題ひめゆり節

         すずききよし 作詞・作曲

1、        ディゴの花 紅く咲いた あの岬

お下げ髪の 乙女らが海に身を投げた

卒業したなら 教師になると

笑顔で語ってた あの乙女らが

 

2、        沖縄の島々の 姿も変るほど

アメリカの軍艦に 艦砲射撃を

   雨あられのように 撃ち込まれ

   幼子も年寄りも みな殺された

 

3、        真白な制服を 紅く血で染めて

傷ついた兵士らを 優しく励まし

徹夜で働いた あの乙女らが

お国の為だと 信じて死んだ

 

4、        戦争(いくさ)は終っても 占領は続き

やっと復帰はしたけれど 平和は来ない

空には アメリカの軍用機が

海も 島中も アメリカの基地

 

5、        何時になったら 何時になったら

 返してくれる 沖縄の青い空 青い海

 何時になったら 何時になったら

 帰ってくるの 砂糖黍育てる 

シマンチュウ(島人たち)の笑顔