クワ科イチジク属 落葉小低木(半高木)
受粉樹・不要 収穫まで2〜3年
果樹の中でも育てやすさは上位に位置する。
反面、実が痛みやすく市販されている果実は完熟前に収穫されたもので、本当に美味しい完熟果を味わうには家庭で育てるのが一番。
果実が成熟する時期によって、夏果専用種(6月〜7月収穫)、秋果専用種(8月以降)、夏秋兼用種がある。
夏果は梅雨の影響を受けやすいため、一般に秋果専用種か夏秋兼用種が栽培される。
イチジクの原産地は南西アジアで、紀元前から地中海沿岸地方などで広く栽培されており、栽培の歴史が最も古い果実と考えられている。日本には江戸時代に伝えられた。
比較的高温多雨の気候を好み、耐寒性が低いため、東北地方南部が栽培北限である。
受粉、摘果、袋かけなどを必要としない比較的省力的な果樹で、樹高も低いので、女性や高齢者でも取り入れやすい。
毎日か隔日に収穫する必要があり、収穫期間が長期に渡るのも少人数の家庭で楽しむには嬉しい。
イチジクは、花の種類と受粉の要否によってカプリ系、スミルナ系、普通系、サンペドロ系に分類される。
日本の栽培品種のほとんどは普通系で自家結実する。
どこで切っても枝が伸びてどんな新枝にも花芽がつくイチジクは発根性が強く、挿木や接木が容易である。
日本在来種のような大型の品種に各品種を芽接ぎ、切り接ぎ、割接ぎして、一本に多品種を作ってもおもしろい。
成熟期…秋果専用種(夏果も採れる) 9月上旬〜11月上旬
樹性…強い 樹姿…直立 大型
果重…大果 60〜70g 果皮色…赤紫色 雌花の色…鮮紅色 果形…短卵円
寒さに強い在来種で、東北地方でも栽培できる。
日本で二番目に栽培が多い。酸味と特有の風味があり、岡山県以西で好んで食べられる。
副梢の発生少なく大樹となるため地植では一文字仕立てに向かない。開心自然形に仕立てるのが良い。
頂芽優勢が強く、枝の発生はやや少ない。幼木では下位節の着果が悪く、盛果期に達するのが遅れる傾向がある。
2004年11月25日、サカタのタネより通販。挿木の地堀苗。
11月25日、φ24cmスリット鉢へ鉢上げ。
用土は、市販の花の土に赤玉土と川砂、パーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。
12月07日、接ぎ口から40cmで剪定。
乾きが良いように川砂を混ぜたけれど、湿度の高い当地では、夏でも一日一回弱の水遣り。
馴れていないせいか、ずっと使っている川砂を混ぜていないバラ用の用土より、水遣りが難しい。
書籍の栽培管理に従い、固形の有機固形肥料を与え、木酢やジックニームを散布して育てる。
病害虫なし。伸び悪い。
黄色く紅葉したけれど、茶色の部分もあって、あまり綺麗じゃなかった。
(2005/08/29・11/30撮影)
2005年12月08日、落葉完了。
12月09日、植替え作業。
根がガチガチに廻っていた。三分の一〜二分の一、根と鉢土をノコギリで切り取る。用土をかえるので、根を痛めないようになるべく土を落として、50cm角スリット鉢へ鉢替え。
用土はバラと同じく市販の花の土に赤玉土とパーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。
12月11日、剪定。三本伸ばした枝の節三つのこして挟む。ブラウンターキーは2月に剪定することにして、こちらは年内に剪定してみた。
12月20日、有機肥料を鉢縁に盛っておく。
2006年04月13日、夏果3個を確認。芽もふくらんできつつあるけれど、まだ展開していない。
(2006/04/18撮影)
成熟期…夏秋兼用種 6月下旬〜7月中旬 8月下旬〜10月下旬月
樹性…やや弱い 樹姿…開張 コンパクト
果重…中果 45〜55g 果皮色…淡紫褐色 雌花の色…橙紅色 果形…卵円
極めて豊産性で家庭果樹に喜ばれる。
果汁が多い。甘み・品質は中程度で食味がよい。
新梢は細く、節間は短い。着果は中程度で、盛果期に達するのが早い。
低木仕立てができる。夏果を収穫するために冬の強剪定が出来ないため、ゴブレット仕立てやナチュラル仕立てにする。
2004年12月02日、桝井農場より通販。挿木の地堀苗。80cm。
「セレスト」を申し込むも品切れで代品となった。また、酷暑・台風被害による生育不良で苗の等級が下がり一部返金いただいた。
幹の太さが蓬莱柿や同じクワ科のマルベリー2品種に比べるとずいぶん細かったけれど、根張りは悪くなかったし、値段にも差をつけてくださったので、納得。
12月02日、φ21cmスリット鉢へ鉢上げ。
用土は、市販の花の土に赤玉土と川砂、パーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。
12月07日、接ぎ口から30cmで剪定。
乾きが良いように川砂を混ぜたけれど、湿度の高い当地では、夏でも一日一回弱の水遣り。
馴れていないせいか、ずっと使っている川砂を混ぜていないバラ用の用土より、水遣りが難しい。
書籍の栽培管理に従い、固形の有機固形肥料を与え、木酢やジックニームを散布して育てる。
病害虫なし。伸び悪い。
黄色く紅葉した。蓬莱柿より綺麗だった。
(2005/08/29・11/30撮影)
2005年12月10日、落葉完了。
12月11日、植替え作業。
根がガチガチに廻っていた。三分の一、根と鉢土をノコギリで切り取る。用土をかえるので、残りの土も根を傷つけないようになるべく落として、φ30cmスリット鉢へ鉢替え。
用土はバラと同じく市販の花の土に赤玉土とパーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。
12月20日、有機肥料を鉢縁に盛っておく。
2006年02月17日、三本ある枝、全て三芽残して剪定。夏果がみえていたので、残したかったけれど、樹を育てることを優先して、しっかり剪定しました。
2006年03月04日、秋まで育ててから大鉢に鉢上するつもりだったけれど、最初から大きな鉢で育てたほうが多収穫が見込めるかと、50cm角スリット鉢へ鉢替え。
用土は前回と同じく市販の花の土に赤玉土とパーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。鉢が大きいので根に触らないかと、角に有機肥料を置いておく。
2006年04月13日、芽かな、実かな、と判断できなかったもの、大きくなって、実と確認。樹形を作るため枝を切り詰めたので、1個だけ。
(2006/04/18撮影)
芽は確認出来るけれど、まだ動いていない。
蓬莱柿もそうだったので、おそらく、イチジクは芽の展開より夏果の肥大の方が早いのだろう。
成熟期…夏秋兼用 7月上中旬 8月中旬〜10月上旬
樹性…中 樹姿…開帳
果重…大果 70〜120g 果皮色…紫褐色 雌花の色…桃色 果形…長卵円
日本で一番栽培が多い。糖度は15度程度。裂果が少なく、外観が良い。
耐寒性が弱いため暖地向き。新梢の節間は長く、下垂しやすい。
幼木期からよく着果し、盛果期に達するのが早い。
秋果だけを楽しむなら、一文字仕立てが向く。
2005年11月23日、サカタのタネより通販。挿木の地堀苗。100cm以上。
11月23日、50cm角スリット鉢へ鉢上げ。30cm残して剪定。
用土は、市販の花の土に赤玉土とパーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。
12月20日、有機肥料を鉢縁に盛っておく。
成熟期…夏秋兼用種 7月中旬 8月中旬〜10月中・下旬
樹性…強い 樹姿…直立
果重…小果 30〜60g 果皮色…黄緑色 雌花の色…淡桃色 果形…卵円
裂果は少なく、果皮が強い。甘味、酸味とも中程度で品質はいい。砂糖漬け・缶詰用に適している(アメリカでは缶詰に使われる)。
新梢は太いものの、節間は短く、着果は幼木期でも比較的よく着生する。
我が家では強い日差しが必要なものは育ちにくいようなので、比較的日陰に強いイチジクを増やすことにして、2005年02月、タキイ種苗に申し込み。
赤実の品種ばかり持っているので、白実のカドタを選んでみた。
2006年02月、タキイ種苗さんに来歴について電話問合せ。アメリカの品種で、少なくとも20年くらい前には日本に入っていたのでは、ということ。
2006年04月11日、通販届く。挿木15cmポット苗。
枝二本あり、細くて短い方が、15cm、先の葉が完全に展開。太くて長い方が、25cm、先が切り詰めてあって、芽二つが、展開しかかっていた。
04月12日、50cm角スリット鉢へ鉢上する。
根はがっちり回っていた。先の白根が僅かに動き出していたけれど、土をなるべく落として、古い太い根もカットする。
二本の枝を一文字に誘引。
(2006/04/18撮影)
用土は市販の花の土に赤玉土とパーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。
鉢が大きいので根に触らないかと、角に有機肥料を置いておく。
イチジクなので、大丈夫だろうと、根を切ってもバランスをとって枝を切らなかったけれど、04月20日現在、太枝の芽二つが動いているので、なんとかなったみたい。
成熟期…秋果専用種 8月〜9月
樹性…不明 樹姿…不明
果重…小果 30〜50g 果皮色…黄緑色 雌花の色…淡桃色 果形…卵円
皮ごと食べられる小果。黄緑色の果皮でみずみずしく芳香があり、成木になると100個ほど実がなることもある豊産性。
我が家では強い日差しが必要なものは育ちにくいようなので、比較的日陰に強いイチジクを増やすことにして、2005年02月、タキイ種苗に申し込み。
本に載っているのをみたことないのだけれど、価格がこなれているので古くから栽培されている品種かと興味を持ち、タキイ種苗さんに来歴について電話問合せ。
カドタと同じく、アメリカの品種で、少なくとも20年くらい前には日本に入っていたのでは、ということ。
大きさや果皮色がカドタと同傾向で、同じアメリカの品種ということで、あえて比較栽培してみようかなあ、と。
タキイ以外のネット通販のページで「鉢栽培向き」とあったから、樹がコンパクトなのだろうか??
2006年03月10日、通販届く。挿木10.5cmポット苗。
これまで地堀で届いた三本の中でも一番細かったブラウンターキーよりも細くて、5mm位の枝が一本、25cm弱伸びていた。
生育がそろっていなかったのか、節間がまちまちで特に最近の部分がつまっていた。用土に鹿沼土の小粒が混ざっていた。
50cm角スリット鉢へ植えるつもりだったけれど、苗が小さかったし、もともと収穫を期待していない品種だったので、φ30cmスリット鉢へ鉢上する。
太い根はなかったけれど、ほどほどに廻っていた。なるべく土を落とし、枝先3cm程度カット。
用土は市販の花の土に赤玉土とパーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。
03月30日、有機肥料を置き肥しておく。
クワ科クワ属 落葉高木
受粉樹・不要 収穫まで2〜3年
(ポップベリー 収穫前日 2005/05/19撮影)
放任してもよく生育し、果実収穫も可能なほど栽培が簡単で丈夫な植物。
日本でも葉を利用する養蚕用に広く栽培されていた。
果実はカルシウム、鉄分、カリウム、ビタミンC、アントシアニンなどを多く含み、ラズベリーなどと同じく日もちがしないため、ほとんど市販されていない。
欧米やアジアでは家庭果樹として古くから栽培されており、生食やジャムにされてきた。
現在は日本でも果実採取用として、赤実や白実のもの、枝垂性などの果樹苗が市販されている。
樹勢が強く放置すると大きくなるので、コンパクトにするなら垣根仕立て・一文字仕立てにする。
属名のMorus(モルス)は、黒を意味するケルト語が語源であり、果実の色に由来している。ドイツではこれを「悪魔の実」と呼んで、子供には食べさせなかったという。
根皮や葉、果実は薬用としても利用される。
根皮は桑白皮(そうはくひ)と呼ばれ、利尿、鎮咳、消炎などの目的で漢方に処方される。
根皮および葉のティーは、高血圧の予防や咳止めなどに用いられる。
果実をホワイトリカーにつけたクワ酒は、滋養、強壮に飲まれる。
樹勢…中〜弱 成熟期…5月下旬〜6月上旬
果重…最大5cm 7g 果色…黒紫色 糖度…9.4
果実採取用の桑として独立行政法人農業生物資源研究所(元蚕糸・昆虫農業技術研究所)にて「大唐桑」から改良された、4倍体の巨大桑。
2004年12月02日、桝井農場より通販。挿木の地堀苗。100cm以上。
12月02日、φ24cmスリット鉢へ鉢上げ。
用土は、市販の花の土に赤玉土と川砂、パーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。
12月07日、接ぎ口から40cmで剪定。
2005年04月17日、開花スタート。10以上花というか実の元みたいなのがついたけど、4粒だけのこして摘んでしまう。
↓画像右側の白いヒゲのようなのが、花、らしい。左画像、咲きすすむと灰色がかる。
(2005/04/24・05/04撮影)
05/20、収穫スタート〜計4粒収穫〜06/24終了。
最初の実が6g、長さ5cm、幅2cm。
(長さ13cmオリファのカッターと 2005/05/20撮影)
2粒目、最初の実より大きかったが計量せず。
3粒目、5g。4粒目、計量せず。
生まれて初めて食べた桑の実の味は……薄い。
糖度10以下、甘い野菜より低いというのは、伊達じゃない、って感じです。
でも瑞々しくて、淡白だけど苦味や酸味がなくて食べやすかった。
何かに似た味がするな〜と思ったのだけど、はっきりしない。水菓子としていただく瓜の風味がちらっとしたような気が。
乾きが良いように川砂を混ぜたけれど、湿度の高い当地では、夏でも一日一回弱の水遣り。
馴れていないせいか、ずっと使っている川砂を混ぜていないバラ用の用土より、水遣りが難しい。
一度、水切れをさせてしまう。
以降、ララベリーと比べて、伸びが悪くなった。
書籍の栽培管理に従い、固形の有機固形肥料を与え、木酢やジックニームを散布して育てる。
病害虫なし。伸び悪い。
11月26日、水切れの影響から回復しないようなので、処分。
樹勢…強 成熟期…6月上旬〜6月中旬
果重…4.6g 果色…黒紫色 糖度…7.2
ポップベリーと同じく独立行政法人農業生物資源研究所が「カタネオ」よりコルヒチン処理により育成した超豊産性品種。
ポップベリーより小粒だが総収穫量はポップベリーを上回る。
養蚕用に栽培されていた「一ノ瀬」(果重…1.5g)と比べると、約30倍も収穫できるらしい。
ポップベリーとララベリー、どちらを育てようか迷って選べなかったので、とりあえず両方入手。
2004年12月02日、桝井農場より通販。挿木の地堀苗。100cm以上。
12月02日、φ24cmスリット鉢へ鉢上げ。
用土は、市販の花の土に赤玉土と川砂、パーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。
12月07日、接ぎ口から40cmで剪定。
2005年04月22日、ポップベリーに5日遅れて、開花スタート。こちらも10以上花というか実の元みたいなのがついたけど、4粒だけのこして摘んでしまう。
06/01、収穫スタート〜計2粒収穫〜06/05終了。
最初の実、計量せず。実の先端まで軸が通っていた。
2粒目で最後の実も同じく軸が残った。重さ4g・3.5cm・幅1.8cm。
自然落果で2粒しか収穫なかったし、ポップベリーより小さかったけれど、ポップベリーより味があるように感じた。
乾きが良いように川砂を混ぜたけれど、湿度の高い当地では、夏でも一日一回弱の水遣り。
馴れていないせいか、ずっと使っている川砂を混ぜていないバラ用の用土より、水遣りが難しい。
書籍の栽培管理に従い、固形の有機固形肥料を与え、木酢やジックニームを散布して育てる。
病害虫なし。伸び悪い。
黄色く紅葉してそれなりに綺麗。11月上旬、落葉完了。
12月01日、植替え作業。
根しっかり廻っていた。用土をかえるので、根を傷つけないようになるべく土を落として、φ30cmスリット鉢へ鉢替え。
用土はバラと同じく市販の花の土に赤玉土とパーライト、活性炭を混ぜたもの。飽和石灰水潅水。針葉樹チップでマルチ。枝先剪定。
12月20日、有機肥料を鉢縁に盛っておく。
2006年04月13日、イチジクより早く芽の展開確認。蕾というか実の元も見える。
(2006/04/12撮影)
04月18日、三本の枝に二芽ずつ残して残りは摘んでしまう。
手すりに当たらないように、枝を長めに残してあるけれど、普通は三芽残した剪定で良いと思う。
last updata:2006/04/21